あまり聞き馴染みのない不耕起栽培(または不耕起農法)。
主に欧米や南米を中心に活用されている農法で、日本でも知る人が増えてきています。
とは言え、まだまだ全体の1%程度しか活用していないのが現状です。
そんな不耕起栽培について、紹介していきます。
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不耕起栽培とは?
不耕起栽培とは、文字通り土を耕さずに作物を育てる農法です。
切り拓いた土地で農薬や化学肥料など自然の摂理を捻じ曲げて拡大され続けた農地は、地中にいる微生物などの生態系をも破壊し劣化させているとして、海外では土地の再生活動のために不耕起栽培を取り入れています。
その甲斐あって世界の農地の12.5%が不耕起栽培をおこなっています。
地中の微生物と植物の共生が生き物を育み、生き物の排せつ物が地中にかえり微生物と植物を育む自然のサイクルを生み出します。
そうすることで、土壌が豊かになり栄養価の高い土が作られます。
化学肥料や農薬を撒かないということは、CO2の削減にも貢献できます。
それだけではなく、管理する労力とコストも削減できます。
そんな海外で広がりを見せる不耕起栽培は、実は日本発祥の農法です。
良い事尽くしの農法が日本発祥というのは誇らしいことですが、日本での普及率は小麦畑で1%程度、国内の農地で見ると0.01%にも満たないです。
不耕起栽培のメリットとデメリット
不耕起栽培は、土を耕さずに作物を育てる農法で、環境保全や労力削減、コスト削減に貢献します。
しかし、日本で不耕起栽培が普及しないのはなぜでしょうか。
ここでは、不耕起栽培のメリットとデメリットについて紹介します。
メリット
土壌保護
不耕起栽培は土壌侵食を防ぎ、土壌の構造と生物多様性を保護します。
これにより土壌の健康が維持され、長期的な土地の生産性が向上します。
水分保持
土を耕さないことで土壌の水分保持能力が向上し、乾燥時の水ストレスから作物を守ることができます。
労力とコストの削減
耕うんや整地の作業が不要になり、化学肥料や農薬の散布も不要になるため労力とコストが削減されます。
特に大規模な農場では、燃料費の節約にもつながります。
環境への影響
不耕起栽培は温室効果ガスの排出を減らし、環境に優しい農法として注目されています。
作物の健康
土壌生物が活性化し、病害虫の被害が減少することが期待されます。
デメリット
収量の変動
不耕起栽培は耕うん栽培に比べて収量が劣る可能性があり、特に初期段階では土壌の調整が必要です。
土壌の適応性
すべての土壌タイプや気候条件で有効とは限らず、排水性の低い土壌では湿害が発生しやすくなります。
雑草管理
不耕起栽培では、雑草の繁茂により除草労力が増大することがあります。
これは、土壌表面に残る作物残渣が雑草の成長を助けるためです。
肥料の利用効率
肥料の利用効率が低下することがあり、施用量が増加すると環境負荷が大きくなるリスクがあります。
根菜類の栽培の難しさ
根菜類など、土壌を深く掘り返す必要がある作物の栽培が難しくなります。
不耕起栽培のコツ
不耕起栽培は、環境保全型農業として多くのメリットを提供しますが、成功させるためには土壌の条件や作物の選択、管理方法に注意が必要です。
特に、四季があり高温多湿な日本では難しい場面も出てきます。
これらのメリットとデメリットを理解し、適切な対策を講じることで持続可能な農業を実現することができます。
不耕起栽培に興味がある方は、これらの点を考慮に入れて計画を立ててみてください。
また、デメリットとされている収穫量については被覆作物の活用や輪作をおこなうことで改善できます。
まとめ
不耕起栽培は、土の健康を守りながら美味しい野菜を育てることができる持続可能な農法です。
労力やコスト面でも魅力的な農法で、家庭菜園で簡単に始めることができます。
自然との共生を実感することができるので、皆さんもこの自然農法を試してみてはいかがでしょうか。
以上が不耕起栽培についての基本的な情報と、その魅力についての紹介でした。
この方法を取り入れることで、私たちはより健康で持続可能な生活を送ることができるでしょう。
自然と共に生きる喜びを、ぜひ家庭菜園から始めてみてください。
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